黒歴史ポエムシリーズ#1
冬が好きだ。
凛と冷えた空気を肺いっぱいに吸い込んで、息を白く吐き出すその瞬間はなんとも冴え渡る。
都会の街中には白い雪はこれっぽっちも降らなくて、静寂なんてものは感じられないけれど、寒さに焦れた人の足並みは少し速く感じられて面白い。
ずっと遠くの山並みがはっきり美しく見えるのもなんとも好きだ。
冬が嫌いだ。
冬の日差しはまるでその灼熱を忘れたかのように、熱を奪ってくる。
凍える手足、芯まで冷え切って震える身体も負の感情でいっぱいだ。
かと言って、一度室内に入ってしまうと、寒さに耐えかねた
自分の厚着は途端に蒸し風呂へと様相を一変する。
冬は愛と憎しみが入り混じった季節であり、人それぞれの感覚が違う。
私たちはこの季節を、自分の感情に合わせて過ごすことができる。
できるわけねえよ。寒いわド阿呆。